鑑賞した作品のメモです。


モモ
モモ (岩波少年文庫(127))モモ (岩波少年文庫(127))
ミヒャエル・エンデ 大島 かおり


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★★

ミヒャエル・エンデの童話。
友達が昔好きだったというので読んでみました。

童話だけあって話の筋は分かりやすく、
易しい言葉で書かれています。
しかしその中で読者に伝わるメッセージとしては
「限りある時間をいかに生きて、人生で何を目指すべきなのか」といった
人生における普遍的な問題が描かれていて、あらゆる世代が楽しめる話だと思いました。
なるほど確かに素晴らしい童話です。

モモがいない間に物語作家として成功し、一見幸せそうに見えるジジが
過去の貧しくも楽しかった時代に戻りたいけれども戻れないことを悟って言ったセリフが
真実を捉えているようで、何とも印象に残りました。

「いまぼくにできるたったひとつのことは−−それは口をとざすこと、もうなにも物語らないこと、のこりの人生をずっとか、それともせめて、ぼくがすっかりわすれられて、また無名のまずしい男になりきってしまうまで、だまっていることだろうね。だが、夢もなしにびんぼうでいる−−いやだ、モモ、それじゃ地獄だよ。だからぼくは、まだいまのままのほうがましなんだ。これだって地獄にはちがいないけど、でもすくなくともいごこちはいい。(後略)」



硫黄島からの手紙
硫黄島からの手紙硫黄島からの手紙
渡辺謙 二宮和也 伊原剛志


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★☆

最近のDVDは随分安いんですね。
(08/02/18 の時点で1500円)

みなさんご存知「硫黄島からの手紙」です。
トーンが抑えてあって、割と淡々と話が進んでいくので、
お話としてはあまり面白くないですが、
硫黄島の戦いがあったということを世に知らしめるという
意味だけでも、(特に日本人にとっては)この映画の存在は大きいと思います。

時代考証やメッセージの公平性等、この映画が素晴らしいことは間違いないのですが、
しかし「ラスト・サムライ」といいこの映画といい、
なぜこういう映画を日本人が撮れないのでしょうか・・・。
そこが残念です。

てかクリント・イーストウッド見直しました。
あと中村獅堂はあんまり上手くなかった。
他の人は良かった。

座頭市 (1989年版)
座頭市(デジタルリマスター版)座頭市(デジタルリマスター版)
勝新太郎 樋口可南子 陣内孝則


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★☆

北野武が好きなんで、比べようと思ってみたんですが、
やはり元祖は違いますね。かなり良かったです。
この映画、勝新太郎が監督やってるんですが、勝監督もかなり良い。
あと内田裕也が意外にも素晴らしい演技をしていた。

見仏記
見仏記 (角川文庫)見仏記 (角川文庫)
いとう せいこう みうら じゅん


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★☆☆☆

意外にもつまらなかった。

いとうせいこうとみうらじゅんが、ただただ仏像を見るだけの旅をするなんて
すごく面白そうじゃないですか。

やってることは間違いなく面白いんだけど、読んでるこっちに伝わってこない。
明らかにいとうせいこうがみうらじゅんを持て余してて、
ただただみうらじゅんの面白発言を書き並べることに終始しちゃってる。
それなら共著じゃなくていいじゃんと思ってしまった。

いとうせいこうって文章を書く才能ないのかな。

世界最速のインディアン
世界最速のインディアン スタンダード・エディション世界最速のインディアン スタンダード・エディション
アンソニー・ホプキンス クリス・ローファード アーロン・マーフィー


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★★

アンソニー・ホプキンスはすごいな〜。
「羊たちの沈黙」ではご存知レクター博士を怪演したアンソニー・ホプキンスですが、
今作では180度違う、気のいいおじいちゃんの主人公を演じました。

ニュージーランドの田舎町の爺さんが「インディアン」という名前の
ボロボロのオートバイで世界最速記録を出すために、
コツコツ貯めた金でアメリカまでレースしにいくっていう話。

いい話だった。爺が憎めなくてかわいい。
登場人物も若い人はほとんど出てこなくて子供か老人だけなんだけど、
みんなカッコいい。
年は取ってるけど、心はいつまでも挑戦し続ける少年って感じで、
すごく幸せな気分になりました。

これからオススメの映画を聞かれたらこれを薦めようと思います。

ノルウェイの森 下
ノルウェイの森 下 (講談社文庫)ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
村上 春樹


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★★


下巻である。
実はちゃんと村上春樹読んだのは初。
自分の周りには春樹ファンと同じくらいアンチがいて、
それが不思議だったけど、読んでみてなんとなく双方の言いたいことが分かった。

自分的には良いところは話が単純に面白い、キャラクターの造形が良い所。
悪いところは西洋かぶれで、会話が古く感じる(「ノルウェイ」は10年以上前の作品なので特に)点でした。
でもどちらにせよ影響力の大きな作家だと思います。

で、感想なんですけどとても面白かったです。
あっという間に読めました。
難しい言葉が使われてないところが自分のようなおバカには良く合います。
欲を言えば主人公の内面の気持ちの動きをもっと読みたかった。
でもそこを表現しないのはわざとなのかなとも考えました。
読み手が主人公の気持ちの動きを想像することでより深く物語に入り込めるのかも。

他の作品も読んでみたいです。


グッバイ、レーニン!
グッバイ、レーニン!グッバイ、レーニン!
ダニエル・ブリュール カトリーン・サーズ チュルバン・ハマートヴァ


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★☆☆☆☆

統一前後の東西ドイツを舞台にした家族もの。

「なんだこれ」である。
主人公への共感できなさが半端ない。
彼が原因で母が体調を崩し、彼はそのまま考えを改めないまま、
今度は周囲の人間を巻き込んで突き進んでいく。
とにかく主人公の我の強さ、思いやりのなさに辟易した。
これは全然感動しない。

話は分かりやすいのだが、これだけのメッセージを伝えるのに
この映画を作る意味があったとは思えない。

音楽と母親役(カトリーン・サーズ)の演技が良かった。
あとヒロイン(チュルバン・ハマートヴァ)がかわいかった。
でもそのかわいいヒロインとの恋愛の流れは必要だったとは思えない。

世界は密室でできている。
世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS (講談社文庫)世界は密室でできている。―THE WORLD IS MADE OUT OF CLOSED ROOMS (講談社文庫)
舞城 王太郎


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★☆

初めて舞城王太郎面白いと思った。
これいいですね。
タイトルを見て推理小説かと思いきや、実は人間愛を謳ういい話だった。
へらへらと流れるような文体が気持ち良かったです。

ライフ・イズ・ビューティフル
ライフ・イズ・ビューティフルライフ・イズ・ビューティフル
ロベルト・ベニーニ ニコレッタ・ブラスキ ジョルジオ・カンタリーニ


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★☆

こういう映画いいわーー。
ネットの評判を見ると、「史実を反映してない」
「ユダヤ人の弾圧を捻じ曲げて伝えてて、鵜呑みにする人が云々」
という意見もあるようで、確かにシンドラーのリスト観た直後に見たので、
(どっちがより実態に近いか分からないけれども)なんか随分違いがあるなあ
と思ったけれども、これはこれでいいと思う。

というのも、この映画の一番の意図はユダヤ人弾圧という史実を伝える
という点ではないと思うから。
とにかく父親の家族愛に感動する作品です。
家族と一緒に観よう。
子役のかわいさが凄まじい。

地獄の黙示録
地獄の黙示録 特別完全版地獄の黙示録 特別完全版
マーロン・ブランド マーティン・シーン ハリソン・フォード


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★☆☆☆

長い。
恐怖に目を向けてそれを認めないと、逆に恐怖に取り込まれちゃうよ的な話だと
私は解釈した。ドラゴンヘッドとかソナチネみたいな。
あのサーファーの若者が取り込まれちゃった人の象徴で。

映画全体の話は面白くなかった(というか良く分からない)が、
前半のヘリコプターで攻撃するところ(ハートマン軍曹でてた!)の迫力と
音楽がやはり素晴らしかった。
キルゴア中佐を演じてたロバート・デュバルは賞取ったらしいですね。納得。
全体的に前のほうは面白かったな。
1人目の黒人がやられるくらいまでかな。
しかしなんで戦争映画って黒人から死ぬのかねー。

マーロン・ブランドはゴッドファーザーのほうが良かった。
マーティン・シーンは渋くてよい。
オーロール・クレマン(かな?フランス農場の未亡人)は美人で素晴らしかったが、
本編ではカットされて哀れ。


【追記】

そういや主役がマーロン・ブロンドで、いつ出てくるのかワクワクしてたんだが、
かなり引っ張られてびびった。
これは主役とはいえないだろう・・・。

時計じかけのオレンジ
時計じかけのオレンジ時計じかけのオレンジ
マルコム・マクドウェル パトリック・マギー スタンリー・キューブリック


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★☆☆

キューブリックはフルメタルジャケットだけ見たけど
あれは面白かった。セリフが。

で、本作品ですが、素晴らしい映画なのはよく伝わってきます。
個人がやりたい放題やることと、国家が個人を統制すること双方に対する
皮肉がバシッと効いてます。
あと見た目がとてもきれい。衣装や調度品がオシャレ。
ネコ女の屋敷の置物とかくだらな過ぎて笑った。

でも自分にはあまり面白くなかったので★3つ。
一番ラストのシーンでセックスしてる女がすごくきれいだった。


おのぞみの結末
おのぞみの結末 (新潮文庫)おのぞみの結末 (新潮文庫)
星 新一


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★☆

なんとなく星新一が読みたくなり、本棚をあさったらあったので読みました。
星新一は中学生のころ結構読みましたが、それ以来。
久々に読みましたがやっぱり面白かった!

星新一はどの世代が読んでも受け入れられるように、
特定の団体の名前や一時期の流行を話から極力排除することで知られていますが、
話を作ることと同じくらいそれが大変な作業なんじゃないかと思いました。
そして実際30年くらい前の作品ですが、まだまだ全然読めます。

中でも表題作が秀逸です。
少し長めのショートショート(変な表現ですが)が中心に収められてます。

シンドラーのリスト
シンドラーのリスト スペシャルエディションシンドラーのリスト スペシャルエディション
リーアム・ニーソン ベン・キングズレー レイフ・ファインズ


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


★★★★★

心を打たれました。

「シンドラーのリスト」は自らもユダヤ系の出身であるスピルバーグが、
第二次世界大戦下のユダヤ人虐殺を題材に、私財を投げ打って大勢の
ユダヤ人を救ったオスカー・シンドラーの話です。

本当に良くできた映画です。
全編通して3時間半という大作ですが、話の筋に無駄がなく、
あっという間に観終わりました。
イザック・シュターン役のベン・キングスレーをはじめ、
登場人物たちの演技が素晴らしいのが印象的でした。
エキストラのちょっとした表情でもはっとするようなことが何度もあり、
入念な演出がされているなと感じました。

特に印象に残ったのは以下のシーン:
o ドイツ兵が老練工を処刑しようと何度も引き金を引いても弾が出ないシーン
o アウシュビッツに送られた女たちがシャワー室に入れられたときの表情
o シンドラーが工場を去る際に指輪をもらうシーン

ひとつだけ分からないシーンがありました。
中盤にシンドラーが刑務所のような場所を訪れて、
囚人(と思われる)と会話するシーンがあるのですが、
あれは誰なんでしょうか。
もし良かったらどなたか教えてください。

第二次大戦時にユダヤ人が受けた迫害を世に知らしめたという点でも、
この映画が上映された意義は大きいと思います。
知っていなくてはならないことを知らしめる映画です。

一方映画の外に目を向けると戦後ユダヤ人がパレスチナ人に対して行った迫害も、
同様に無視できない問題だと考えます。
過去に迫害を受けたことが、現在迫害を行うことの正当性を支持するわけではないことは
心に留めておくべき事柄です。
私は現在のパレスチナ問題についてもっと知りたいと思いました。

こんな素晴らしい映画の感想を下世話な話で〆て申し訳ないのですが、
Wikipediaによるとスピルバーグの2007年の収入は380億円だとか。
素晴らしい才能に相応の報酬が与えられるのはいいことだと思います。

観るべし!